ソウルの市場へお出かけ
市場ほど生活をそのまま取り込んでいる空間があるでしょうか。以前より、市場では地元に根付いたグルメや、富、ありとあらゆる噂と情報が飛び交い、取引だけではなく、出会いとコミュニケーションであふれる空間と言えます。旅行者が市場ならではの味と魅力を体験するために、伝統市場を訪れる理由のひとつでもあります。便利さと効率化で武装した大型マートに押されて衰退気味だった市場は、それぞれの物語と風景と「グルメ」でSNSに乗って新たに若い世代の心をつかみ始めています。
テリム(大林)中央市場 は韓国映画「犯罪都市」の背景として登場した市場で、ソウルの中のチャイナタウンとして知られています。映画の中では事件事故の多い場所として描写されていますが、実際の雰囲気は明るく活気であふれています。近くのクロ(九老)工業団地で働く中国人労働者がテリムドン(大林洞)一帯に集まり住み始めたことをきっかけに、自然と中国風の通りが形成されていきました。テリム駅から中央市場へとむかう通りにはハングルよりも中国語や漢字で書かれた看板が目につきます。屋台で売られている中国式の餃子やソーセージ、ヨンビョンスンデ(延辺式豚の腸詰め)など中国の味を楽しみながら探訪するだけでも短い旅行をした気分になれる異色的な市場といえます。この市場で行き交う言葉もほとんど中国語で、まるで中国へ旅行へ来たような錯覚へ陥るかもしれません。中華料理を一皿づつ味わいながら探訪するだけでも、小旅行を楽しめる異色市場です。
ソウル市永登浦区デジタル路37ナギル21
+82-2-833-8113
地下鉄2号線/7号線「テリム」駅12番出口徒歩5分
旅行 Tip! ムンレドン(文来洞)芸術村
ムンレ駅7番出口を出て歩いてみると、鉄工所で作っていた機械や部品で作られた独特のオブジェに出会います。 ムンレドン(文来洞)芸術村 、また創作村と呼ばれるところです。2000年代初めから中盤にかけて、テハンノ(大学路)とホンデ(弘大)エリアの高額な家賃を避けて、鉄工所が密集しているムンレドン(文来洞)に移住してきたアーティストたちが形成したアーティスト村で、ソウル市都市再生事業地域に指定されました。迷路のように続く路地に古い鉄工所やアーティストのアトリエ、トレンディなカフェやレストランが入り交じり、独特の雰囲気を醸し出しています。
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ナムソン・サゲ(南城・四季)市場 はアパート団地と地下鉄駅の間に位置している平日も訪れる人の多い活気あふれる市場です。2016年に四季をテーマに4つのエリアに分かれており、春エリアでは工業製品を中心とした商品を販売、夏エリアでは果物野菜、精肉などの食料品を販売、秋エリアでは簡単にグルメを味わえ、冬エリアでは熱いスープが味わえられるグルメ通りがあります。ナムソン・サゲ(南城・四季)市場にはいわゆる「インスタ聖地」として知られている名物餅屋が2店あります。あんことバターを使った甘い餅サンドの「あんバタートク(餅)」で有名なチョンエマッダム、鮮やかな色のもっちりとした食感の餅にやわらかさが加わった「サセクインジョルミ」を作るモルランイス(トクサラン)です。韓国の名節の時期などの家族や親戚が集まるシーズンにも人気の店とのこと。
ソウル市銅雀区銅雀大路29ギル47
+82-2-536-3002
地下鉄4号線/7号線「チョンシンデイプク」駅14番出口より徒歩1分
旅行 Tip! 国立ソウル顕忠院
国立ソウル顕忠院 は韓国と韓国民族のために殉国した人々が安らかに眠る国立墓地です。韓国の歴代大統領の墓地もあります。遊歩道が整備されているので、じっくりと散策するのにも良く、春になるとしだれ桜が満開になります。
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ヨンチョン(霊泉)市場 はアンサン(鞍山)の谷から流れる小川の上に出来た市場です。アンサン(鞍山)の薬水が病気に効くとして神秘的な水が流れる泉ということで、ヨンチョン(霊泉)と名付けられた。ヨンチョン(霊泉)市場は果物から鮮魚まで多様な食材を販売しているだけでなく、文房具店、古本屋なども市場内にあり、ないものはない市場です。伝統市場の姿を見れると同時にクァベキ(ねじり棒ドーナツ)、サルトクポキ(米トッポッキ)、ティギム(天ぷら)などの個性あるおやつ類がSNSで噂になり、若年層にも人気のある市場系の「ホットプレイス」と言われています。夕方へ行くとすでに品切れということが多く、水産市場にもありそうな味と鮮度が保証されたキングクラブとロブスターを売る店もあります。シーフード好きな人もわざわざ訪れるという人気店でもあります。
ソウル市西大門区統一路189-1
+82-2-363-5350
地下鉄3号線「トンニムン」駅4番出口徒歩5分
旅行 Tip! ソデムン(西大門)刑務所歴史館
ソデムン(西大門)刑務所歴史館 は日本統治時代の独立運動家を投獄するために建てられたソデムン(西大門)刑務所を活用して1998年11月に歴史教育の場として開館しました。ソデムン(西大門)独立公園の中にあり、三・一運動直後にユ・グァンスン(柳寛順)が投獄され、獄死した地下の屋舎と監視塔、拷問室、歴史展示室などで構成されています。独房、監獄、死刑場などを再現しており、子供の歴史体験コースとしても推薦できる施設です。
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ヨンソ(延曙)市場 はウンピョン(恩平)区にある大小さまざまな市場の中でも最も活気あふれる市場です。ヨンシンネ駅前にあるので、近所の住民はもちろんプカンサン(北漢山)を行き来する人々も加わって賑やかな市場となります。迷路のように形成された市場の路地を歩けば、いろいろな物や人々を見物する面白みがあります。中央にあるグルメ通りには魚料理や豚足をはじめ、軽食も食べられる店舗が集まっているので、市場を回ればお腹を満足させることができる市場です。豊富なグルメで有名な クァンジャン(広蔵)市場 の一部を切り取ってヨンソ(延曙)市場へ移したかのような風景です。韓国の名節シーズンにはもっとも込み合う店は餅屋です。チャンス(長寿)餅屋では玄米餅と麦玄米餅を製造しており、これでトックク(韓国の雑煮)を作っても健康的な味を楽しめます。
ソウル市ウンピョン(恩平)区トンイルロ850
+82-2-355-1272
地下鉄3号線/6号線「ヨンシンネ」駅2番出口徒歩1分
旅行 Tip! ウンピョン(恩平)ハノクマウル(韓屋村)
プカンサン(北漢山)のふもとにある韓屋を体験することができるスポットです。伝統韓屋と現代住宅の利点を混合して建てられた最新型の韓屋を見ることができます。ハノクマウル(韓屋村)の姿自体も美しく、歴史博物館、文学館、韓屋カフェなどがあり、街の趣を感じながら時を過ごしてみたくなる場所です。
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クムナム(金南)市場 は朝鮮戦争以前よりクムホドン(金湖洞)にあり、現在でも存続している市場です。道路に沿って長く店舗が並び、市場を形成しています。再開発によりクムホドン(金湖洞)は大きく変わりましたが、クムナム(金南)市場とその周辺のは1990年代後半の雰囲気が大切に残されています。ワンジョクパル(王豚足)やスンデッグク(豚の腸詰め)や即席ハッパ(薩摩揚げ)などの伝統市場らしいグルメが楽しめます。餅屋では地奨水を使ったペクミダンという餅が有名です。黄土にくぼみを作り、水を入れ、粒子が沈殿した後の上澄みの水を地奨水と言い、東医宝鑑には解毒作用に良いと記載されています。
ソウル市城東区錦湖山2ギル32、2階
+82-2-2252-530
地下鉄3号線「クムホ」駅1番出口
旅行 Tip! ウンボンサン(鷹峰山)
ソウルでもっともはやくレンギョウの花を見ることができるスポットのひとつにウンボンサン(鷹峰山)があります。小さな岩山ですが、春になると山全体を黄色く覆うレンギョウが壮観です。チュンナンチョン(中浪川)とハンガン(漢江)の合流地点にあり、海抜94mの低い山にも関わらず、頂上から見る風景はなかなか趣があります。ソンス(聖水)大橋とトンホ(東湖)大橋一帯のハンガン(漢江)を見下ろせる眺望が自慢です。