8月も終わりに近づき猛暑の中、仕事や家のこと、日々のあれこれで夏バテ気味の方も多いのではないでしょうか?来月は韓国のお盆·チュソク(秋夕)が控えていますが、日本のお盆は8月中旬。お盆の恒例行事・お墓参りを学生の頃はバチ当たりにも「めんどくさいな~つまらない…だったら遊園地とかデパートとか行きたい。無宗教なのにお寺に行く意味がわからない」と子供心に思っていたものです。
ですが年を重ねるにつれ、お寺を訪れると心落ち着き、伝統文化の美しさに心惹かれるようになっているから不思議。ミーハーでトレンド大好き!な反面、トレンドを追いかけるだけでは物足りなくなっているのでした。ということで最近のマイブームは“温故知新”。
トレンドはもちろんチェックしながらも、古き良きもの。本質的な美しさ。韓国の伝統文化にもっと触れて学びたいという気持ちでお寺へ行ったり、朝鮮王朝時代の古道具を観たりしているのです。さらに、実は最近韓国を訪れる外国人観光客や現地若者を中心に「テンプルステイ」がじわじわと流行していることをご存じですか?
それだけ、世の人々は疲れているのでしょう…今回は、ソウル市内にありながら車がなくても容易く訪問できる寺院をはじめ、夏バテ気味の皆様の体と心を癒してくれるような場所を紹介したいと思います。
人生に休憩を。テンプルステイも可能なキョングクサ(慶國寺)
ソウル周辺の代表的寺院であり、イ·スンマン(李承晩)が大統領時代によく訪れた場所でもあるキョングクサ(慶國寺)。プカンサンボグンムン駅から徒歩10分の場所に位置しながら、自然に囲まれた緑豊かな環境はテンプルステイするにもぴったり。
キョングクサ(慶國寺)のテンプルステイは「体験型」「休息型」の2パターン。
テンプルステイ体験型プログラムは15時から始まり寺院案内および習儀の説明、夕食供養、夕方の礼拝、数珠作り、自律精進プログラム、21時から24時の間に就寝し、翌日朝5時起床。30分の朝供養のち、僧侶と一緒に瞑想と遮断時間。8時から10時までは自由時間。片付けのあとは感想作成と廻向を行い11時には終了。韓国語がわからなくても、無理なく進行できるゆったりとしたスケジュールとなっています。
休憩型プログラムは15時半から始まり堂内の案内のあとは自由時間。寺院案内および習儀の説明が1時間あり数珠作りがない以外は体験型プログラムと同様。翌朝は5時に起床し30分の朝供養のち自由時間。片付けと廻向をしたら11時に終了。“私へのプレゼント”という主題どおり、休息時間たっぷりなプログラムとなっています。
どんなに清潔でも周囲の山から虫の発生が懸念されるため…秋になったらテンプルステイをしようと楽しみにしているのです。まずは“休息型”からテンプルステイデビューをしようと計画中。
※参加料は1人70,000ウォン(大人) 。室内は冷暖房完備でシャワー室も完備。清潔で快適に過ごせます。個室ではなく団体(参加人数は1度につき8~10人ほど)で就寝。持ち物や規則・注意事項などは事前にHPでチェックしてください。
※予約は下記サイトから可能。開催月の前月から予約開始するため、早めの確認を。
ソウル市ソンブク(城北)区ポグンムンロ113-10
ウイシンソル線「プカンサンボグンムン」駅2番出口から約317m(徒歩10分)
www.templestay.com/temple_info
韓国の伝統美にどっぷりと浸るティータイム
チュンムロ駅からすぐという都心にありながら、韓屋の趣とともに宮廷料理やティータイムを楽しめるコホジェ(古好斎)。“昔のものが好きな人の家”という意味を持ち、伝統文化の保存と普及を目的に韓国文化財財団が運営している「韓国の家(コリアハウス)」のプレミアム宮廷菓子ブランドです。
ソバン(韓国の伝統的な小さなテーブル)にそっと綺麗に載せられているのは旬の材料で真心込めて作られた餅、トッカロン、韓菓など。季節の伝統茶·生麦酸(韓国の伝統的な漢方薬の一つ)と一緒にいただくと、風味が増し、ほっと落ち着く美味しさ。お茶はほんのり苦味のある爽やかな五味茶。
宮中舞踊のチュンエンジョン(春鶯囀)の舞を鑑賞しながら優雅に茶菓子をいただく、とびきり贅沢なティータイム。私って両班(韓国の貴族)だったかしら ?
1957年に韓国を訪問する外賓のための迎賓館として建てられた韓国の家は、改修を重ね70年近くもの間、韓国の美しい伝統を守って来ました。そんな空間でいただく夏の伝統菓子とお茶は格別!寝台が心地良すぎて、このままここで寝転びたいという欲にかられました。
夏のデザートコース(1人25000ウォン)。完全予約制・キャッチテーブルから予約可能。2人以上からはピンスがつきます。
ソウル市チュン(中)区トェゲロ36キル10
地下鉄3号線/4号線「チュンムロ」駅3番出口から254m(徒歩4分)
@koreahouse_official
入場無料とは思えないクオリティ!ソウル工芸博物館
インサドン(仁寺洞)・アングク駅エリアへ来た時は必ずと言っていいほど訪れている「ソウル工芸博物館」。移転したプンムン女子高等学校の敷地をソウル市が買い上げ、校舎を博物館へとリニューアル。西洋風のスタイリッシュな外観に、館内では朝鮮王朝時代の陶磁器、刺繍、ポジャギ(韓国の伝統的な風呂敷)など伝統工芸品はもちろん、現代韓国作家の作品が展示されていることも。
空間デザインもスタイリッシュでかっこよく「こんなに素晴らしい作品、展示を無料で観覧させてもらっていいんですか?!!?」と毎回感嘆してしまう大好きな場所。誰もが無料(または安価)で上質な文化に触れることができる場所や企画を作ってくれる、韓国のこういう粋なところもサランへ。国民の文化生活向上に繋がりますよね。
(上写真は過去の企画展のもの)
ソウル市チョンノ(鍾路)区ユルゴクロ3ギル4
地下鉄3号線「アングク」駅1番出口から約136m(徒歩2分)
朝鮮王朝時代の古道具を探しに。タプシムニ(踏十里)古美術商店街
工芸を鑑賞し物欲が沸いたら、歴史とロマンが詰まった「タプシムニ(踏十里)古美術商店街」で朝鮮王朝時代にタイムスリップ。味わい深いヴィンテージのスッカラ(韓国語でスプーンのこと)を手に入れたいならこちらがおすすめです。古道具は根が張るものも多いですが優しい店主さんばかりなので、道具が持つヒストリーを聞くのも楽しいですよ。
ソウル市トンデムン(東大門)区コミスルロ
地下鉄5号線「タプシムニ」駅2 番出口から約296m(徒歩5分)
韓国式精進料理で体から健康に
週の3、4日インスタントのラーメンとビビン麺を食べているため、夏バテした体に優しいごはんを食べて浄化されたい…という一心で選んだのが、韓国仏教文化事業団が運営する精進料理専門店·パルコンヤン(鉢孟供養)。ミシュランガイド2017・2018も太鼓判を押した有名店ということで安心感を持って伺ったわけです。
韓国の精進料理は牛乳以外の動物性食材とニンニク、ねぎ、ニラ、ヒメニラ、ツルボの五辛菜を一切使用せずに作られているのであっさりとした味が特徴的。この日注文したWON Course(50000ウォン)は前菜からデザート&お茶まで19品。1番気に入ったのはキノコカンジョン(甘辛いタレでからめたキノコの揚げ物)。肉厚なキノコの食感と甘辛旨味がくせになる美味しさ!毎日食べたい。
昼間はともかく韓国ひとり旅での夜ごはん、なかなかハードルが高いですよね。綺麗な個室で、素材を生かし丁寧に作られた精進料理をじっくりと味わえるのも至福。ヘルシーでボリュームたっぷりだからおなかはいっぱいなのに、体は軽い。
ソウル市チョンノ(鐘路)区ウジョングクロ56
地下鉄3号線「アングク」駅6番出口から約273m(徒歩5分)
すぐ隣にあるチョゲサ(曹渓寺)の夜は
ライトアップされていて幻想的。
大雄殿ではお参りをしたり瞑想をしたりしているおじいさんやおばあさんたちがちらほら。壮大な雰囲気につられ、ふらりと入ると「ここに座りなさい」と親切なおばあさま。自然な流れで座禅を組んで瞑想していると心地良くて眠ってしまいそうに。食後のお散歩に夜のお寺で瞑想、心がスッキリしてなかなかに良いですよ。
ソウル市チョンノ(鐘路)区ウジョングクロ55
地下鉄1号線「チョンガク」駅2番出口から約413m(徒歩6分)
温故知新ですので最後に「新」もピックアップ。ロンドンとソウルを行き来しながら活動しているセラミック作家であり、スタジオを運営している「NR CERAMICS」。インサドン(仁寺洞)のショップは移転のため8月は休止中ですが、ミニマルな美しさを放つ陶器たちを新ショップでぜひチェックを。
ソウル市チョンノ(鐘路)区インサドンギル53-1、2階
地下鉄3号線「アングク」駅6番出口から約197m(徒歩2分)
またライフスタイルセレクトショップ・MONOHA HANNAMで販売している、韓国のカトラリーブランド「HORANG」もお気に入り。一生使える、上質なもの。毎日使っても飽きない本質的な美しさを追求しているHORANGのカトラリーたちは、使うたび小さな幸せをもらえるよう。テーブルがキリッと引き締まるんですよね。
韓国の伝統的な道具や雑貨と合わせて使ってもしっくりと馴染む、現代の韓国ブランドはまさに温故知新。良いものは時代を超えても変わらないのです。
ソウル市ヨンサン(龍山)区トッソダンロ36
キョンイ・チュンアン線「ハンナム」駅1番出口から約301m(徒歩4分)
現代を忙しく過ごしている私たちには心空っぽにして過ごせる時間なんてなかなかないですが、体に優しいご飯を食べて、気ままにお散歩して、美しいものをたくさん吸収してヘルシーなソウル旅をお過ごしください。
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