自分だけのものを求めようとする消費者のニーズは、今も昔も変わりません。それゆえカスタムメイドはより特別な意味を持ちます。完成待ちの段階でもう一度自分に似合うかどうかを考え、好みに合っているか確認する…これらの過程を経ると、出来上がった製品とより親近感が湧くようになります。
今回のシリーズでは、カスタムメイドだけが作り出す価値で、多くの常連客を持つソウルの老舗を紹介します。
1940年
ソウル市チョンノ(鐘路)区へファロ7
+82-2-762-2314
1940年創業の理髪店で今も朝8時に開店します。理髪店が全盛期だった頃、椅子に細長い木を掛け、その上に座らせられて髪を切られた子供の頃を思い出します。
外観も昔の風景そのままに、 ムンファ(文化)理容院 の店長は今もネクタイをきちんと結び、朝8時になればドアを開けます。白いガウンは80年以上守ってきた仕事の誇りを表すかのようです。
1965年
ソウル市チョンノ(鍾路)区チョンゲチョンロ55 302号
+82-2-733-3429
韓国政府が認証した名匠が印鑑を彫る店。篆刻、刻む作業、判子を彫るその作業に篆刻という言葉がついた理由は文字の間隔を生かすことから。文字の一点一画が生かされれば、その所有者の特性も込められることではじめてその人の代わりとなる印となれるからです。これは機械が彫った印鑑にはできないことだと言います。 パギンダン(博印堂) の名匠の手から生まれた判子がどことなく光りを放つかのようです。
1936年
ソウル市チュン(中)区スピョロ60-1
+82-2-2279-1910
名家や名品が必ずしも派手である必要はありません。 ソンリム(松林)手製靴 は韓国初の登山靴を製作した店で、4代に渡りオーダーメイドシューズを作っています。左右の足の違いに合わせ靴を作るという基本を忠実に守ってきました。約80年の歴史がながれるようにソンリム(松林)手製靴の常連客には韓国人初のエベレスト登頂に成功したコ・サンドン氏、北極、南極、ベーリング海峡横断の探検家ホ・ヨンホ氏が履いていた靴は共にソンリム(松林)手製靴でした。それだけ、自身に合う靴を探しているのならソンリム(松林)手製靴以上の名品はないかもしれません。
1932年
ソウル市チュン(中)区トェゲロ20ギル2
+82-2-735-1988
創業1932年の ハニョン洋服店 はオーダーメイド洋服店の中でも品質が良いことで有名な店。多くの韓国国内外の有名人、故キム・デジュン(金大中)元大統領と故ノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領 がここで仕立てました。ムン・ジェイン(文在寅)大統領も民政首席としてチョンワデ(青瓦台)で勤務していた時代、ここで洋服を仕立て着用していたとのこと。一反が数百万ウォンもする生地も保有していますが、その生地の真価を生かす技術があることの意味でもあります。本当の贅沢はハニョン洋服店で作られます。