韓国の梅雨は日本よりも少し遅く、通常通りなら7月頃。ソウルの夏も日中は茹だるように暑いけれど、夕方からはまだ涼やかさの残る6〜7月は開放感たっぷりに外で食事をするのにも、小洒落たテラスカフェやバーでゆったり過ごすのにもぴったりな季節。
特に、ウルチロ(乙支路)やチョンノ(鍾路)には野外でサムギョプサルができる食堂や、小洒落たガーデンバーがたくさんあるってご存じでしたか?今回はソウルの初夏の夜を楽しめる、おすすめスポットを紹介。
また今回紹介するチョンノ(鍾路)とウルチロ(乙支路)は、ソウルの中心部であるキョンボックン(景福宮)、クァンファムン(光化門)、インサ洞などの観光地と隣接しており、昔ながらの韓国を残しつつも、現代的な感性がミックスされた独特な雰囲気を持っている。ひとりでぶらぶら散策するのもおもしろいエリア。夜は仕事終わりの会社員たちの飲みの場にもなるので、地元の人たちに混じってお酒を飲むのもロコな雰囲気を味わえて、きっと楽しいはず!
鍾路 サンビオク
野外で食べるデジカルビは格別!
韓国の夏は日が長いため20時頃までうっすらと明るく、18〜19時頃はまだまだ明るく1日を長く楽しめる。軒先にずらりと並んだカラフルな簡易テーブルで、炭火焼き肉とビール。この韓国ならではの光景は何度体験してもなぜだかワクワクしてしまう。
まずはテーブルに置いてあるメニュー用紙からスタッフさんを呼んで注文を。こちらは自分達で焼くスタイルなので、炭火でジュージュー焼いて、あつあつのうちにいただきます。ソメク(焼酎とビールを割ったアルコール)との相性も言うまでもなく抜群。サムギョプサルと同じくらい大好きなデジカルビ。外でいただく焼肉はなんでこんなに美味しいのか…。
デジカルビときたら、水冷麺は欠かせないでしょう。サンビオクの冷麺はピョンヤン(平壌)式の蕎麦麺なので、とても軽やか。淡白なスープとさっぱり麺が美味しい!夏は冷麺しか勝たん。
こういった昔ながらのスタイルのお店は、良い意味でも悪い意味でも「雑」なので細やかなサービスを受けたい方にはおすすめしかねるものの、個人的にはフリースタイルが楽なので放っておいてくれても全然問題なし。異文化を体感する、それもまた旅の醍醐味。ちなみに夜が深まりすぎると酔っ払いアジョシ(韓国語で「おじさん」という意味)が増える傾向にあるので、夜でも早めの訪問がおすすめ。
テジカルビ(豚カルビ)(250g)…18,000ウォン
水冷麺…9,000ウォン
チョンノ(鍾路)区チョンノ17ギル32
地下鉄1号線/3号線/5号線「チョンノサムガ」駅5番出口
moowee nakwon
築120年の韓屋を改装したモダンなレストラン
観光地のイクソン洞に位置するフレンチベースの料理とワインを楽しめるレストラン。実はこちら、NCT DREAM(ジェノ、ジェミン、チソン)のロケ地としても有名。
脆くなった柱部分はしっかり鉄製器具で固定し、床は総替え。もともとは味噌ジャン、醤油ジャンなどを漬けるかめ置き場だった場所を、独創的な造りのテラス席に大変身!築120年の韓屋を生かし、気軽に食事ができるレストランへとリノベーションされた。
1階はモダンに、2階はより伝統韓国を感じられる特異な空間。周囲の賑わいとは対照的に落ち着く居心地の良い雰囲気にホッとする。代表が収集している韓国作家たちのアートを鑑賞しながら、ゆったりと食事ができるところも満足度が高い。
代表メニューの自家製ニョッキは、ふわふわほくほくで美味!まろやかで上品なクリームソースにはキリッとしたワインが似合いそう。一皿で満腹感。
バターとパンだけでもおいしいなと思っていたら、パンが美味しくなければ料理が台無しになるという代表のこだわりで、パンは自家製、付け合わせのバターはフランスから取り寄せているそう。旬の食材を使用して作られる料理は3ヶ月毎にメニューが変わり、テラス席は6〜9月は夕方以降のみ利用可能で10〜5月はランチもいただける。
伝統韓国、アート、食事も聖地巡礼も!欲張りな大人のオタ活はいかが?
ソウル市チョンノ(鍾路)区スピョロ28ギル17-25
地下鉄1号線/3号線/5号線「チョンノサムガ」駅4番出口
@moowee.nakwon
週末ともなるとお祭りと見間違うレベルの賑わいを見せるウルチロ(乙支路)ノガリ横丁は、チョンノ(鍾路)に比べると若者から人気で「ハンティング(ナンパ)」スポットとしても有名。
賑わっている場所もおもしろいけれど、もう少しゆっくりお酒を飲みたい時は、ウルチロサガの路地裏の食堂へ。細い小道を歩いていくとこんなところに?と言う道端に簡易テーブルがずらりと並んでいる「テウォン食堂」。
気さくなオンニたちが切り盛りする食堂は、この場所で20年以上運営しているのだとか。本来サムギョプサルは2人前以上注文する必要があるものの、ひとりで来た外国人だからかこっそり1人前で準備をしてくれた。
一見、何も小洒落たところはないけれど、韓国のMZ世代たちから見ればこれこそまさに「インスタ映え」。平日夜でも若者たちで野外席は満席!景気が悪いと言われながらも、たくさん飲んで友達や恋人と元気におしゃべりして、遊ぶときはしっかり遊ぶパワフルな現地の若者たちを見るたび、韓国のパワーと勢いを感じ、こちらまで元気が湧いてくる。
ソウル市チュン(中)区チョンゲチョンロ5ギル34-26
地下鉄2号線/5号線「ウルチロサガ」駅1番出口から263m
Gaga bar
テラスでまったり過ごす時間も大切な旅の思い出
Onion安国に隣接するバー。築200年の韓屋を改造せずそのまま使うという大胆さ。アングク(安国)やプクチョン(北村)の雰囲気にあう、韓国料理を現代風にアレンジした料理とワインをいただけるお店。ひとりでふらっとテラスでワインを飲むのも悪くない。
ソウル市チョンノ(鍾路)区ケドンギル5
地下鉄3号線「アングク」駅3番出口
@gagabar_seoul
ちょっとブレイクしたい時は、今年5月にオープンしたばかりのEOE SEOULで一休み。サムチョン洞という街にぴったりな土東洋文化と韓国の食を新しい視点で解釈しているカフェ。お茶とデザートペアリングを楽しめ、開放感たっぷりな空間も心地良い。
ミルクティー、抹茶ミルク、ヨモギミルク、フラワースパークリング、季節のお茶などさまざまなドリンクを楽しめるのでコーヒーが苦手な方もOK。ひとりでさっと入れる気軽さも、パッケージデザインが可愛いところも好きポイント(コーヒー中毒なのでもちろんアイスアメリカーノをオーダー)。
福を呼ぶと言われている魚のお守りを発見。
ソウル市チョンノ(鍾路)区プクチョンロ5ギル3、1階
地下鉄3号線「アングク」駅2番出口から277m
GONG GAN
季美を感じられる隠れ家バー
サムチョン洞の路地裏にひっそりと佇むバーは、 GONG GAN(韓国語で「空間」という意味) という名の通り、空間にも魅力がたっぷり。垂木や柱などの伝統家屋の一部をあえて見せ、壁は韓屋で一番よく使う色だという淡く優しいホワイトで統一。伝統美と現代的なデザインが融合したスタイリッシュな空間だ。
テラスではないが、快適な室内で自然美を感じられるところも魅力。
桜の木に囲まれているため春は桜吹雪、夏は雨の落ちる音、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の自然美を体感できる。箱庭の上部が鏡のようになっているので、反射し映る風景を眺めながらカクテルを楽しめるという風流さ。
カクテルもおつまみも、空間同様伝統的な材料を現代的にアレンジして作られており、
フードアップサイクリングにも力を入れている。例えば桃を使ったカクテルなら、余った桃で、桃の風味たっぷりのチップスに。自然な甘さと爽やかさがくせになる!カクテルにぴったりペアリングしていて美味しい…。
お酒の種類は豊富。バーテンダーにオーダーすれば自分好みのカクテルも作ってくれる。アットホームな雰囲気なので、ひとりで訪れてゆっくりお酒を楽しみたい時にもばっちり。土日は18:30まで予約可能、以降はウォークインのみ。火曜日から金曜日は20:00まで予約可能。
ソウル市チョンノ(鍾路)区ユルゴクロ3ギル66-4、1階
地下鉄3号線「アングク」駅1番出口から466m
@gong_gan_anguk
aff seoul
神秘的な魅力を持つアジアンダイニング
「aff=Asian Funky Flavor」の略でアジアンローカルベースのダイニング&ワインバー。東南アジアエリアのナイトマーケットからインスピレーションを得たという2階続きの空間は、とても神秘的。5Fはブルーとレッドライトが灯るダークな雰囲気、6Fテラスは植物に石壁、木製テーブルとナチュラルでリゾートのような雰囲気が漂う。都市とのコントラストも印象的。
イケイケなお店かと思いきや、突然柴犬が迷い込んできても誰も気にしていないところが韓国らしいゆるさ。カジュアルで独創的なグルメと雰囲気を満喫できる、ウルチロ(乙支路)の隠れ家ダイニングだ。
ソウル市チュン(中)区スピョロ42-21、4階、5階
地下鉄2号線/3号線「ウルチロサムガ」駅11番出口
@aff_seoul