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伝統が息づく観光の中心、明洞の魅力を再発見する旅へ
ソウル旅行 の代名詞として、長きにわたり多くの観光客を迎え入れてきたミョンドン(明洞)。実はその歴史をたどると、朝鮮戦争後の経済発展とともに金融機関や百貨店が立ち並び、かつてはソウル経済の中心地として栄えてきた街だったそうです。時を経た今では、ホテルやショッピングスポットが集まり、初めて訪れる旅行者も安心して楽しめる観光都市として愛され続けています。
そして近年、そんな明洞に新しい息吹が吹き込まれています。ショッピングの街という枠を超え、歴史と文化を感じられる場所が次々と生まれ変わっているのです。たとえば、約90年前の歴史的建築を甦らせた「新世界 THE HERITAGE」の誕生、文化財を舞台に特別な時間を演出するレストラン「ODD HAUS」など。栄華と伝統が息づく明洞のとっておきにスポットをご案内します。
1、シンセゲ(新世界) THE HERITAGE / 明洞で出会う“歴史×ラグジュアリー”な新名所
1935年に建てられた旧朝鮮貯蓄銀行の建物を生かし、2025年4月にオープンした新スポット、シンセゲ(新世界) THE HERITAGE 。ソウル市の有形文化遺産にも指定されたネオバロック様式の歴史的建築をリニューアルした館内は、当時のクラシックな意匠とモダンな高級感が調和する空間。重厚な外観を眺めるだけでも圧倒されますが、一歩足を踏み入れるとさらに“特別な場所に来た”という高揚感に包まれます。
1、2階には、ソウル最大級の売り場面積を誇るシャネルのブティックが。アイテム数も豊富で、他店では入店に行列ができることも多いシャネルが、ここでは比較的スムーズに入れるのが嬉しいポイント。地下1階には、センスのよく韓国工芸が並べられたギフトショップがあり、並ぶ逸品を眺めているだけで、美的センスが磨かれるような感覚を味わえます。素敵なラッピングサービスも評判で、ちょっと特別なお土産探しにもぴったりです。
2、ハウス・オブ・シンセゲ(新世界)/THE HERITAGEで味わう、プレミアム韓国ティー
新世界 THE HERITAGEの最上階5階にあるハウス・オブ・シンセゲ(新世界)デザートサロンは、韓国の伝統茶と茶菓子のペアリングが楽しめるプレミアムな伝統茶カフェ。緑あふれる中庭を望みながら過ごせる店内は落ち着いた雰囲気で、街の喧騒を忘れさせてくれます。私が訪れたのは週末でしたが、待っていたのは5組ほど。隣の展示スペースを鑑賞しながら待てるので、順番が来るまでの時間も心地よく過ごせました。
オーダーしたのは、ウェルカムティーに加え、シグネチャーであるハウスオブ新世界でしか味わえないお茶と5種類の茶菓子が提供される“代表茶菓子セット(35,000ウォン)“、そしてお茶と3種の茶菓子を組み合わせた“逸品茶セット(30,000ウォン)“。写真手前に映るピンク色の梅香のお茶は、梅ジュースのように華やかな香りが広がり、酸味と甘味のバランスが絶妙。特にアイスでいただくのがおすすめです。
セットの茶菓子には、よもぎの揚げ餅や干し柿のデザートなどが並び、甘さ控えめで上品な味わい。世代を問わず楽しめるので、親子での訪問にもぴったりです。さらに茶菓子はイートインだけでなくお土産用としても販売されており、センスの良い手土産として喜ばれること間違いなしです。
3、チンサデク(進士宅)/ 明洞の路地裏で味わう格式ある韓定食
明洞の繁華街から一本入った細い路地裏にひっそりと佇む韓定食専門店のチンサデク(進士宅)。3階まで上がると、明洞のど真ん中にありながら立派で伝統的な韓屋が姿を現します。店内には、日本の琴にも似た韓国伝統楽器・カヤグム(伽耶琴)の音色が静かに流れ、賑やかな明洞の中にいるとは思えない、まるでタイムスリップしたかのような静謐な空間が広がっています。
料理はすべてコース仕立てで、私がいただいたのは一番手頃な“夢定食”(39,000ウォン)。あわび粥やチャプチェ、チヂミといった定番から、牛肉の鉄板焼きや野菜包みまで、彩り豊かな韓国料理がずらりと並びます。どれも繊細な味付けで、口に合わないものが一つもないほど。目にも楽しく、品数豊富なコースに大満足でした。
さらに食事の後半には、熟成イシモチとご飯が運ばれてきます。さっぱりとしたスープと合わせて、お茶漬けのようにいただくと、締めにも最適です。店内は全室個室という特別感があり、一見客は少なく、紹介を通じて訪れる人が多いそう。会食や大切な人との食事にふさわしい、知る人ぞ知る名店です。
4、トクスグン(徳寿宮)/明洞から徒歩で楽しむ、古宮と近代美術の融合スポット
続いては、明洞から少し足を伸ばしてトクスグン(徳寿宮)へ。徒歩約15分、ソウル市庁の隣に位置する徳寿宮は、朝鮮王朝時代の宮殿でありながら、伝統的な韓国建築と西洋建築が混在するユニークな空間です。正門にあたる中和門越しに見る中和殿の景色は圧巻で、歴史の重みを肌で感じられます。
そしてなんと宮殿内には西洋建築の石造殿があるんです。1909年、イギリス人建築家ハーディングの設計で建てられ、朝鮮末期には王が居住していたそうです。建物は東館と西館に分かれ、東館は大韓帝国時代の歴史や文化に関する資料が展示されてい大韓帝国歴史館、西館は主に韓国の近代美術を展示する国立現代美術館 徳寿宮館として利用されています。
さらに奥へ進むと、一際目を引く鮮やかなトンドクジョン(惇徳殿)が現れます。かつて外交交渉や迎賓館として使われた建物は、一度取り壊された後、発掘調査と復元工事を経て2023年に再公開されました。館内では当時にまつわる資料や映像展示が楽しめ、2階テラスからは中庭を見下ろすことも可能です。歴史と建築の魅力がぎゅっと詰まった徳寿宮は、必ず見ておくべき場所です。
5、ODD HAUS osteria / 歴史建築で味わうブランチとワイン
徳寿宮を囲む石垣道沿いを進んだ先にある近代文化遺産・新亜記念館。1930年代に建てられたこの建物は、かつて新聞社・新亜日報の別館として使われていました。1980年に新亜日報が廃刊となった後は記念館として整備され、現在はオフィスや商業施設が併設されています。その1階にあるのが、ブランチ&ワインバーブランチ&ワインバーのODD HAUS osteria。
レトロな建築の趣を残しつつ、店内は温かみのあるオレンジのライトに包まれたモダンな空間。広々とした店内には複数のエリアがあり、ミッドセンチュリー調の家具やカラフルなアートが配され、遊び心と上質さを兼ね備えています。週末にはデートや女子会、ファミリーでの利用まで幅広い客層で賑わっていました。
シグネチャーメニューのひとつ、写真左のわらびパスタは、味付けしたワラビとエゴマの葉が香ばしく、ピリ辛の味付けがクセになる一品。右のカルビとキノコの麦ご飯リゾットは、ほろほろに柔らかいカルビステーキとキノコの風味、プチプチとした麦リゾットの食感が贅沢に組み合わさった一皿です。歴史ある建物の中で、洗練された料理と雰囲気を堪能できる、ソウルならではの特別な時間を楽しめます。
一日かけて明洞を巡ってみて感じたのは、この街が韓国の歴史と栄華を凝縮した場所だということ。新世界 THE HERITAGEで歴史建築に息づくラグジュアリーを体験し、ハウスオブ新世界で韓国茶と茶菓子の繊細な味わいに癒される。路地裏に佇む進士宅では格式ある韓定食に舌鼓を打ち、少し足を伸ばせば徳寿宮で古宮と近代美術の調和を堪能。夜はODD HAUS osteriaで歴史ある空間に包まれながらワインとモダンな一皿を楽しむ。明洞はショッピングや観光の中心地であると同時に、文化と伝統を今に伝える場所でもあります。韓国旅行初心者はもちろん、旅慣れたリピーターにとっても、少し視点を変えて巡ることで明洞の新たな魅力に出会えるかもしれません。
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