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ご紹介するコースは、ソウル観光財団が2023年に選んだ優秀ユニバーサル観光施設です。ユニバーサル観光施設は、なかなか自由に観光できない人でも、誰でも便利に利用できる施設のことです。

 ソウルは過去、現在、未来が一つになって絶えず変化する都市です。朝鮮王朝の首都として600年以上の間、歴史的な出来事の舞台となった空間であり、現在は現代的な高層ビルが立ち並び、文化の中心としての役割を担っています。歴史を感じさせる古い建築物と最先端技術が共存するこの街は、あちこちの地域が絶えず再生し、その魅力を増しています。変化し続ける街、ソウル！今回の旅では、生まれ変わったソウルを体験するコースをたどり、これまでとは少し違う新しいソウルを発見することになるでしょう。

1970年代、交通量の多い道として有名だった高架道路が、市民のための散策路として生まれ変わった「ソウルロ7017」。17の新しい道が、ソウル市民や観光客に、これまでとは違うソウルをプレゼントします。続いて、「ハニャン(漢陽)都城遺跡展示館」では、復元された過去の城郭を見て、ソウルの街なかに隠された歴史を感じてみましょう。さらに、ソウルロ7017の上にある「K SPOTスグク(アジサイ)展望台カフェ」でソウルの街の風景を眺めつつ都心にいながらにして心の余裕を感じ、「ヨンナムバンアッカン ソウル駅店」でおしゃれなカフェ文化を体験。これらのコースは、バリアフリーの施設が充実していて、車椅子でも存分に楽しめます。車椅子で会う、生まれ変わったソウル！今回のコースをたどり、ソウルがどのように絶えず変化し、生まれ変わっているのかを、体で感じてみましょう。

 「ソウルロ7017」は、昔の高架道路をリノベーションすることで、車道から散策路となった“街路公園”であり、“文化複合公園”でもあります。1970年に開通した高架道路は、ソウル駅-トェゲロ-マンリジェ-チョンパロを結ぶ938mの車道で、産業近代化の象徴とされてきました。しかし、30年以上経って老朽化が進み、安全性の問題が浮上。そこで、高架道路を継続して利用するかどうか悩んでいたソウル市は、2017年、ニューヨークの「ハイラインパーク」をモデルに、市民のための散策路として生まれ変わらせました。名前につけられた「7017」という言葉には、「1970年に作られた高架道路が、2017年に人が通る17の道に生まれ変わった」という意味が込められています。

都市再生の象徴となったソウルロ7017には、観光案内施設、展示広報施設、公演文化施設、体験・遊び施設が立ち並んでいます。観光案内施設には「ソウルロ文化センター」、「ソウルロ案内所」、「ソウルロの店」、「ソウルロ庭園センター」があり、展示広報施設としては「チャンミ(バラ)広報館」、「モンニョン(モクレン)広報館」、「庭園教室」、「ソウルロ展示館」があります。また、公演文化施設の「スグク(アジサイ)展望台」、「バラの庭」、「モクレンの庭」、「ユンスル」、「マンリ洞広場」や、体験・遊び施設の「好奇心の植木鉢」、「バンバン遊び場」、「自然のなかで休む空中庭園」もあり、訪れた人が287種類の様々な植物を鑑賞しながた公演を楽しめる環境を整えています。

 

ソウルロ7017へ行くには、地上からエレベーターを利用しなければなりません。（左上の写真）アプローチの道幅が広く、公園内の路面が平坦なため、車椅子をお使いの方をはじめ、すべての人々が気軽に利用できます。ソウルテラスには自動ドアが設置された障害者用トイレもあります（右上の写真）。公園が直接管理する障害者用駐車場はありませんが、ソウル駅の交番前やロッテマートソウル駅店の障害者用駐車場を利用することができます(左下の写真)。ほかにも、ソウルロ案内所の授乳室(右下の写真)や、電動車椅子の充電器など、人に優しい施設がいっぱい。車椅子やベビーカーの貸し出し・保管も可能なので、ソウルにお越しの際にはぜひご利用ください！

♠ 利便施設情報

∙ アプローチと正面入口 ㅣ エレベーターでアクセス可能。入口には緩やかなスロープが設置されています。

∙  内部の空間 ㅣ 公園内は平地で、全区間を車椅子で移動できます。

∙ 障害者用トイレ ㅣ 自動ドアと障害者用ミラー（傾斜鏡）が設置されています。案内所の障害者用トイレ以外にも、大宇財団やソウルテラスなどの障害者トイレもお使いいただけます。

∙ 障害者用駐車場ㅣソウル駅前の交番近くに障害者用駐車場が1台分あるほか、ロッテマートソウル駅店の障害者用駐車場もご利用いただけます。

∙ 乳幼児利便施設、その他 ㅣ ソウルロ案内所内に授乳室があるほか、お声がけいただければ車椅子レンタルやベビーカーの保管・レンタルサービスもご利用いただけます。また、案内所内に電動車椅子の充電所があり、公園には緊急時のための非常ベルも設置されています。

 「ハニャン(漢陽)都城遺跡展示館」はソウル市チュン区ソゴンロ1に位置する歴史遺跡地で、ハニャン(漢陽＝ソウルの朝鮮時代の呼び方)の中心部にあったハニャン(漢陽)都城の一部の城郭を復元して展示しています。朝鮮時代の都であったハニャン(漢陽)の歴史と文化が分かるだけでなく、貴重な展示物や素敵な眺めもご堪能いただけます！

展示館では、補修を繰り返しながら朝鮮時代に都を守ってきたハニャン(漢陽)都城遺跡、日本統治下の1925年に改称された朝鮮神宮の拝殿跡、第二次世界大戦後に朝鮮神宮が廃社となった後でそこに作られたナムサン(南山)噴水、日本統治時代に作られた防空壕など、様々なものが見られます。つまり、朝鮮時代の築城の歴史や日本統治時代の悲しい出来事、植民地支配からの解放後の都市化、近年の発掘・整備の過程まで、一目で確認できる歴史の現場なのです。歴史展示室ではハニャン(漢陽)都城の建築と歴史的背景に関する様々な情報を展示しており、来訪者は伝統工芸体験、歴史クイズ、家族ワークショップなどの体験プログラムで楽しく学習できるようになっています。また、ここでは、歴史を学んだ後に、展望台ですてきな眺めを堪能することもできます。ソウルの都心の美しい風景を高い場所から一目でご覧いただけますので、お見逃しなく！

ハニャン(漢陽)都城遺跡展示館は3度以下のゆるい傾斜や平地になっていて、展示室の正面入口や屋外展示スペースに簡単にアクセスできます。展示室の出入口は自動ドアになっていて、傾斜や段差がなく、車椅子が通るのに十分なスペースが確保されています。また、障害者用トイレは展示室の隣にあり、案内センターにお声がけいただければいつでもお使いいただけます。駐車については、障害者用駐車場3台分が用意されたソウル教育庁の駐車場が利用できるようになっています。

♠ 利便施設情報

∙ アプローチ、正面入口ㅣ野外展示空間へのアクセスは、傾斜3度のスロープと平地です。展示館の正面入口は内外ともに自動ドアとなっており、視覚障害者用の点字ブロックが設置されています。

∙ 内部活動空間ㅣ屋内展示館と屋外展示の全区間へ、車椅子でのアクセスが可能です。屋外空間の場合、観覧路が段差なくつくられています。

∙ 視覚障害者のための利便施設ㅣ展示館の前には視覚障害者のための点字案内と音声案内図が設置されています。手すりにも点字表示板が取り付けられています。

∙ 障害者用トイレ ㅣ 障害者用トイレの洗面台は高さの調節が可能です。万一の時のために、床に倒れた状態でも押せる位置に非常ベルが設置されています。

∙ 障害者用駐車場 ㅣ ソウル教育庁の駐車場に、3台分の障害者用駐車場が備えられています。

 新しく生まれ変わったソウルを熱心に見物していると、いつの間にか時間があっという間に過ぎてしまい、ひと休みしたいような気持になります。そんな時、ソウルの風景を眺めながらひと休みできるソウル駅近くの2つのカフェがおすすめです。最初にご紹介するのは、「K SPOTスグク(あじさい)展望台カフェ」。ソウルロの上にある、見晴らしがすてきなカフェです。円形の窓からソウル駅近くを一望できるので、観光客にも大人気。アメリカーノやアイスティーといった定番メニューだけでなく、スグク展望台カフェのオリジナルメニューとして、カクテルを思わせる“ソウルの昼”と“ソウルの夜”、エスプレッソとアジサイ茶をブレンドした“アジサイティー:メリカーノ”などもありますので、ぜひ味わってみてください！

♠ 利便施設情報

∙ 車椅子の動線 ㅣ  アプローチと正面入口には傾斜や段差がありません。

∙ 障害者用駐車場 ㅣ 近くの障害者用駐車場をご利用いただけます。

∙ 障害者用トイレ ㅣ 近くに障害者用トイレがあります。

 今回ご紹介するのは、「文化駅ソウル284」のなかにある「ヨンナムバンアッカン ソウル駅店」です。内部が広く、“バンアッカン（製粉・精米所）”という名前から分かるようにごま油、はちみつ、伝統菓子といった商品も販売しています。この店のシグニチャーメニューはごまラテ、ごまアイスクリームなど香ばしいごまを使ったもの。これと一緒に、じゃがいもパンといったオリジナルメニューを食べると最高です。ヨンナムバンアッカンでひと休みした後は、すぐ隣にある文化駅ソウル284に立ち寄ってみましょう。文化駅ソウル284は旧ソウル駅の駅舎の原型を復元して作られた文化展示空間で、展示や公演など多彩なプログラムが行われています。

♠ 利便施設情報

∙ 車椅子の動線 ㅣ アプローチと正面入口には傾斜や段差がありません。

∙ 障害者用駐車場 ㅣ  近くの障害者用駐車場をご利用いただけます。

∙ 障害者用トイレ ㅣ 近くに障害者用トイレがあります。