昌慶宮コース

宮殿

昌慶宮コース

登録日 : 2019.05.01 / 更新日 : 2023.09.08

昌慶宮にまつわる歴史上の物語を体感

昌慶宮(チャンギョングン)は、成宗(ソンジョ)14年(1483年)に三人の妃たちのために作られた宮殿です。日本統治時代には植物園と動物園が作られ昌慶苑(チャンギョンウォン)と呼ばれましたが、1983年から復元作業を始め昌慶宮という名前を回復しました。有名な歴史の中の話である粛宗(ソクチョン)の時代の仁顕王后(イニョン・ワンフ)と張禧嬪(チャン・ヒビン)、英祖(ヨンジョ)の時代の米びつに閉じ込められて死にいたった思悼世子(サドセジャ)などに触れることができるコースです。
休宮日 : 月曜日
ホームページ : http://jpn.cha.go.kr

コース案内

徒步コース: チャンギョングン(昌慶宮)ホンファムン(弘化門)→オクチョンギョ(玉川橋)→ミョンジョンジョン(明政殿)→ソンムンダン(崇文堂)→ムンジョンジョン(文政殿)→ムンジョンムン(文政門)→クァンチョンデ(観天台)→キョンチュンジョン(景春殿)→ヨンチュンホン(迎春軒)→トンミョンジョン(通明殿)→チャギョンジョン(慈慶殿)址→チュンダンジ(春塘池)→チャンギョングン(昌慶宮)ホンファムン(弘化門)

徒步路线: 昌慶宮弘化門; 玉川橋; 明政殿; 崇文堂; 文政殿; 文政門; 観天台; 景春殿; 迎春軒; 通明殿; 慈慶殿址; 春塘池; 昌慶宮弘化門

所要時間: 2時間

集合場所: 昌慶宮入場券売り場前

（文化観光解説ボランティアとともに歩く）
>（ソウルウォーキングツアー）
（昌慶宮）
こんにちは、ソウルウォーキングツアー
昌慶宮コースを申請して頂きありがとうございます
私は今日昌慶宮の解説を担当することになりました
ソウル市文化観光解説ボランティア、ジ・へヨンです
こんにちは、香港出身のハン・ミヨンです
「お会いできて嬉しいです」
「こんにちは」
昌慶宮は都心の中で自然と共にする
こぢんまりとした可愛らしい宮殿です
ミヨンさんは昌慶宮に遊びにきたことはありますか？
普段気になってはいたのですが、まだ昌慶宮には来たことがなくて
今日こうやって先生と一緒に
昌慶宮についてもっと知りたくて申請しました
なるほど、では私と一緒に昌慶宮に入ってみましょうか
（弘化門）
昌慶宮は1483年成宗が
王室の年長者であり、祖母である貞熹王后
母である昭惠王后
継母である安順王后に仕えるため
昔の寿康宮跡に建てられた宮殿です
しかし先生、すぐ隣の昌徳宮と
名前も似てますが位置も近いですね
はい、そうです。昌徳宮とは昌慶宮は東闕と呼ばれました
昔の東闕図をご覧いただきますと
昌徳宮と昌慶宮が境界がなく
一つの宮殿として使われていたことがわかります
昌慶宮は壬辰倭乱＊の火災によってほとんどが焼失されましたし
＊朝鮮に侵入した日本と繰り広げられた戦争
1616年、光海君によって建て直されましたが
（朝鮮中期の武臣である李适が1624年に起こした反乱）
李适の乱で内殿と東宮殿全域が
（しばらくは首都である漢陽を占領したこともあったが）
ほとんど燃えてしまって
（反乱軍の内部の分裂と官軍の反撃により失敗した）
仁祖の時に復元しました
「昌慶宮は壬辰倭乱という悲しい歴史が刻まれているんですね」
「はい、そうです」
こうやって復旧されたなんて本当に不思議です
私の後ろに見えるこの扉は昌慶宮の正門である弘化門です
（造化：万物を創造し育てる大自然の理）
弘化という意味は造化を広げるという意味があります
ここに王様が直接おいでになって民たちと疎通をしていた場所でもあります
ミヨンさん、もう中に入って昌慶宮についてもっと調べてみましょう
（玉川橋）
この橋は玉川橋といいます
玉のように澄んだ水が流れるという意味です
550年も超える歴史を持つ美しい橋です
この橋を渡って昌慶宮の正殿である明政殿に行ってみましょうか
（明政殿）
この明政殿は昌慶宮の正殿であり
皇太子の冊封式や
臣下たちの賀礼や宴会など
王室の公式的な行事が行われる場所でもあります
1484年に成宗が創建され
壬辰倭乱によって焼失されました
それから1616年、光海君によって再び再建され
その姿のまま今まで残っています
現存する宮殿の正殿の中で一番古い建物です
しかし先生、昌慶宮の明政殿は
他の場所と比べてそこまで大きくない気がします
ミヨンさん、観察力がすごいですね
昌慶宮は1484年、成宗が
祖母である貞熹王后、母である昭惠王后
継母である安順王后に仕えるため
年長者の生活空間として建てられたので
このように他の宮殿の正殿よりも小さいです
先生、あの絵は他の宮殿でも見た覚えがありますが
そうです、あの絵は「日月五峰図」といいます
日月五峰図は王様が座る椅子の後ろにいつもおかれます
王様が参加していた行事の絵を見るとですね
王様の代わりに表現されることもある大事な象徴でもあります
王様への称賛とか
果てない発展を念願する意味が込められた絵でもあります
太陽は王様を意味して
月は王妃様を意味するともいいます
そして五つの峰は
五つの方位を意味します
東西南北そして真ん中
このように五つの方位を意味します
あそこに見える波は王様の恩恵が広く広がってほしいという
解釈もあります
では次の場所に移動してみましょうか
（文政殿）
こちら文政殿は王様の執務室である便殿であります
便殿ではありますが国葬があった時、神主を祀って
（魂殿：王様や王妃様の国葬の後）
祭礼を挙げていた魂殿として
（3年間位牌を祀っていた殿閣）
数回使われました
（毀撤：古くなって撤去してしまうこと）
日帝強占期の時期は文政殿一帯が毀撤され
1986年に建て直しました
何よりもここは1762年に起きた壬午禍変の現場です
壬午禍変とはなんですか？
壬午禍変は父である英祖が息子の皇太子を
皇太子から廃位させ
（米櫃：米などの穀物を貯めておく道具）
米櫃＊に閉じ込めて死に至らせた事件です
米櫃に閉じ込められた皇太子はあそこに見える宣仁門の近くで
8日間暑さと飢えに苦しんだ末
28歳の短い生涯を終えることになりました
後に英祖は皇太子に
（諡：王や宰相、劉玄たちが死んだ後）
思悼という
（彼らの功徳をたたえて付けた名）
諡を与えました
自分の息子をそういう風に死なせたなんて、恐ろしいです
そうですね、一般的な事件ではありませんでしたので
思悼世子を主題に映画やドラマがたくさん作られました
一度時間があったら観てみてください
では次の場所に移動してみましょうか
（景春殿）
あそこに見える景春殿という建物は
「日差しが暖かい春」という意味です
成宗が母の昭惠王后のために建てた后妃の寝殿です
ここから正祖と憲宗が生まれました
そして仁顯王后、昭惠王后、恵慶宮洪氏が
住んでいた際、崩御されたことから
こちらは后妃殿としてだけではなく
王妃や太子妃も使っていたことがわかります
思悼世子は正祖が生まれる前
龍の夢を見たらしく、龍を描いて中の壁に貼り付けて
正祖は自分が生まれたことを記念するために
誕生殿という扁額を書いて飾ったりもしました
すぐ後ろに見えるこの歡慶殿は
嬉しくてめでたいという意味の建物です
1544年、中宗がここで崩御しましたが
その時中宗を治療して面倒を見ていた医女が誰だかご存知ですか？
朝鮮時代の医女ならもしかして大長今ですか？
そうです、大長今です
ミヨンさんは韓国の歴史や文化に詳しいですね
そしてここは仁祖の時、清に人質として連れていかれた
昭顕世子が帰国され
ここで突然の死を迎えたりもしました
そして英祖はここで臣下たちを呼んで
対面したり国事を行っていたりしていた場所でもあります
では次の場所である通明殿に行ってみましょうか
（通明殿）
ここは内殿の最高の建物であり
中殿の御所である通明殿です
陰と陽が調和し天の明るい光が差すという意味です
先生、この屋根は少し形が違いますが
そうです、このように棟がない屋根を無樑閣といいますが
無樑閣屋根の建物は王と王妃の寝殿の象徴です
景福宮の交泰殿や昌德宮の大造殿も
同じく無樑閣屋根になっています
それから通明殿の裏には洌泉という泉があります
英祖が歯が凍えるように
清くて冷たい水だということで洌泉と呼んでいたそうです
ここにはとても有名な張禧嬪の話があります
どのような話ですか？すごく気になります！
張禧嬪と粛宗と仁顕王后
3人のもつれにもつれる愛の物語がある場所でもあります
この話は映画やドラマでもたくさん制作されました
禧嬪張氏は王妃を追い出して自分が王妃になります
（甲戌換局：朝鮮粛宗20年、当時権力を持っていた南人が）
ですが甲戌換局で
（廃妃閔氏の復位を試みていた一派を除去しとうとして）
仁顕王后がまた復位されます
（むしろやり返された事件）
張禧嬪は妃に降格されます
それで禧嬪張氏は自分の住居である就善堂に
神堂を作り仁顕王后を呪いました
それから通明殿の周りによくない物を埋めていたそうです
それが発覚され禧嬪張氏は毒薬を賜われ
粛宗は後宮たちが
王妃に昇格することがないようにする制度を作りました
では次の場所に移動してみましょうか
（迎春軒）
私が立っているここは迎春軒と集福軒です
迎春軒と集福軒は後宮たちが生活していた空間で
（昌慶宮内の後宮の生活空間中）唯一残されている場所です
殿閣の姿が他の殿閣とは少し違います
迎春軒は正祖が読書室兼執務室として
よく使われていたので長居してました
そこで1800年に崩御しました
また集福軒では
思悼世子（正祖の父）と純祖が生まれました
42歳に英祖が臣下たちをここに呼び寄せて
長男を失い、苦労して授かった息子を
見せながらすごく自慢されていたようです
しかしその息子があの米櫃に閉じ込められて死んだ思悼世子です
次の場所である慈慶殿の跡に移動してみましょうか
（慈慶殿の跡）
昌慶宮の全景が一望できるここは
「国王の母が大きい福を享受する」という意味の慈慶殿があった場所です
慈慶殿は正祖が母の恵慶宮洪氏のために建てた建物です
ここでは恵慶宮洪氏が【恨中録】を執筆しました
1800年、正祖がお亡くなりになってから
恵慶宮洪氏は嫁の孝懿王后にここを譲って
自分が太子妃の頃使われていた景春殿に住まいを変え、そこで亡くなり
孝懿王后はここでお亡くなりになられます
1911年日本はここに日本様式の建物を建て
（李王家博物館：1909年、昌慶宮明政殿一帯に）
李王家博物館を作り
（植物園、動物園などと一緒に博物館が設立され）
1992年に撤去されました
（11月1日から一般に公開された）
そしてここにその跡だけが残っています
では最後の場所である春塘池に移動しましょうか
（春塘池）
先生、ここの泉がとても大きくて綺麗ですね
特に紅葉が水に映ってとても綺麗です
そうですね、ここはとても綺麗な場所ですが
我々の民族の痛々しい歴史が刻まれているところです
昔、春塘池は內農圃という11区域の田がありました
農業が経済の根本であった朝鮮時代には
王様が直接おいでになって農業をしてお手本を見せたり
民たちの生活の安定を図っていた場所です
1909年日本は純宗皇帝を慰めるという名目の下
動物園、植物園を構成し遊園地を作り
ここ內農圃には水を溜めて泉を作り
さらに屋形船まで浮かべました
結局1911年、日本は
500年ものの歴史を持つ我々の宮殿、昌慶宮を
花見で有名な遊園地、昌慶園に格下げしました
しかし、1983年に昌慶宮という名前を取り返し
約3年の復元の過程の末
1986年、昌慶宮の昔の姿を取り戻そうとしました
先生の話を聞くと
美しい紅葉がなんだか悲しくも見えてきます
そうですね、この昌慶宮はこぢんまりしていて可愛いらしい宮殿ですが
我々の痛々しい歴史が刻まれている宮殿でもあります
ミヨンさんと色んな歴史の話をしていたら
いつのまにか昌慶宮の解説も終わりの時間になりましたね
私と共に回った昌慶宮はどうでした？
はい、もう終わってしまってとても残念です
実は昌慶宮には可愛いらしい綺麗な宮殿だけがあると思っていたのですが
先生のおかげで
ここに韓国の痛々しい歴史が残っていたことがわかりました
そうですね、歴史の解説をする甲斐を感じます
私もミヨンさんと共に回ることができて楽しかったです
ソウル市は昌慶宮のみならず
様々なソウルウォーキングツアーコースがあります
（dobo.visitseoul.net）
インターネットでソウルウォーキングツアーを検索していただきますと
様々なコースに関する詳しい説明とともに
予約方法をご案内しております
ソウルに関するよく知らなかった面白い話をお伝えするために
文化観光解説ボランティアたちは皆さんをお待ちしております
たくさんご利用ください、ありがとうございます
（文化観光解説ボランティアとともに歩く）
（ソウルウォーキングツアー）
（昌慶宮）

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コース内の主な観光スポット

昌慶宮

成宗14年(1483年)、3人の先王の妃のために建てた宮廷。昌徳宮と連結した一つの宮域を形成しながら、ひとつの独立した宮廷として使われるとともに、昌徳宮の不足した住居を補充する役割を果たしました。正殿である明政殿は朝鮮王宮法殿のうちで最も古い建物です。
明政殿

国宝第226号。昌慶宮の正殿である明政殿は、臣下が王に新年の挨拶や国家の大きな行事を行う場所として使われただけでなく、外国使臣を迎える場所としても利用されました。1544年には仁宗(インジョン)がここで即位しました。
景春殿

成宗が母親、仁粹(インス)王大妃のために造った建築物で、成宗14年に建てられました。その後、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の時消失し、光海君(クァンヘグン)8年(1616年)に再建。しかし、純祖(スンジョ)30年(1830年)に燃え、再び34年に建てられ今日に至ります。この景春殿は、正祖(チョンジョ)と憲宗(ホンジョン)が誕生した場所で扁額は純祖によって書かれました。
通明殿

王と王妃が生活した寝殿の中心建築物。昌慶宮創建の時に建てられましたが、壬辰倭乱の時消失して再建。しかし年李适(イ・クァル)の乱と純祖の時代に再び火災に遭いました。現在の建物は純祖34年に重建されたもの。南向きの前面には月台(ウォルデ：宮殿前にある石段)を、両端には青銅制トゥム(浅く平たい甕)を置き、その北側にウェボルデ基壇(基壇を造る時に、自然石または長臺石を置いて作った基壇)一段を設けて建てられました。