ソウルの冬の天候の中を歩き周るにはかなり勇気が必要。低い気温の中、観光地を行ったり来たりするだけでは独特な韓国文化を見逃しているかも知れません。今回ご紹介するのは韓国の現地人も普段よく利用する「バン(房)」文化。是非この冬に体験してみてはいかがでしょうか。文字通り「バン(房)」とは「部屋」を意味し、今の季節なら寒さを忘れて楽しめる様々な種類のプライベートな空間があります。韓国では多くの人が家族と一緒に生活していますが、人を招待する文化はあまり無いようです。それゆえ若い人たちは家族の目を気にする必要なく、友達や恋人同士で「バン(房)」を利用することが多いようです。
「ダバン(茶房)」へ行けば、韓国の古い「サロン的文化」を垣間見ることができるでしょう。一見ダバン(茶房)をみれば「カフェ」に見えるかもしれませんが、「ダバン」とは昔からのカフェなのです。多くの今流行りの「カフェ」は「ダバン」で提供されるインスタントミックスの韓国コーヒーの代わりに豆を挽いたドリップコーヒーが提供され、また、70年・80年代の音楽が流れてた所は快適で流行の音楽に変わりました。旧世代の思い出はソファとともに風化されてゆくのかもしれません。「ダバン」はいつかは無くなる文化かもしれません。コーヒーチェーンにとって変わられる前に「ダバン」を経験できたあなたは幸運かも。
エディターのおススメ: ハクリム・ダバン(学林茶房)
ハクリム・ダバン(学林茶房) ウェブサイト(韓国語)
→地下鉄4号線ヘファ駅3・4番出口の間
「バン(房)」文化の利点の1つが、自宅でできることがそのまま外出先で他の誰かと一緒にできるということです。その代表各といえば「チムジルバン」。入浴料を支払い、あなたの服をロッカーへ預けたら全ての「チムジルバン」の設備を試してみましょう。ジェットバス、サウナ、より高温のハンジュマク(汗蒸幕)、休憩エリアなどがあります。大浴場は性別で区切られていますが、休憩エリアやサウナ等はみんなで一緒に楽しめます。
静かでより内省的な時間を過ごすには、ソウルにはブックカフェや閲覧室として利用できる「チェクバン(チェク:本)」が多くあります。勉強熱心な韓国人は教科書と蛍光ペンを持って来ることもあれば、一方ではゆったりと小説や漫画を読んでいる人もいます。コーヒーを一杯買うだけで、ずっと本を読んでいられるし、旅をより深く楽しむために「チェクバン」で時間を過ごすのもいいでしょう。人間観察にも良い場所ですし、ずっと座っていても干渉されることはありません。
4. PCバン
韓国のオンライン・ゲーム文化は世界で有名なものの一つ。その元祖たるものを「PCバン」で垣間見ることができます。ここではカウンターで番号を受け取り、コンピューターに接続することが出来ます。メールを書いたり仕事をすることも出来ますが、周りを見れば多くの若い男性がオンライン・ゲームをリラックスしてプレイしていることに気づくでしょう。多くの場合、「PCバン」では軽食やドリンクなども販売しています。
気持ちを心から表現したり、自由な気持ちになるためには「ノレバン(ノレ:歌)」以上のものはないでしょう。「ノレバン」のカウンターでは1時間ごとに計算される利用料金を支払い、またドリンクなども購入できます。韓国国内の歌から海外の歌まで豊富に揃ったリストブックから歌いたい曲を選んで、番号を入力。あなただけのステージであなただけのショータイムの始まりです。
PCバンとノレバンの両方の特徴を持つ「マルチバン」。ここでは映画を観たり、歌を歌ったり、好きなインタラクティブゲームをしたりできます。「マルチバン」の"贅沢な"サービスとは、自分で映画を選ぶことで自分だけの思い出を作ったり、「マルチバン」で広く使用されているWiiのゲームで思いっきり飛び跳ねたり、はしゃいだりできます。